世界で一番わがままな君とガラスの心臓

気休めの慰めも、引き止める言葉も、今の明日には何の意味もなさない。彼女は本当に、自分の命のすべてを明日の夜に賭けているのだ。


私たちは最終下見のため、静まり返った夕暮れのサンセットビーチへと向かった。


階段の降り口に立つと、台風の接近を告げる激しい潮風がポニーテールを煽る。


空は橙色から鮮やかな朱色、そして深い紫色の群青へと目まぐるしくグラデーションを変えていく。


遠くの弁天島がくっきりと黒いシルエットとなって海に浮かび、打ち寄せる波が夕光を反射して鈍く光っていた。


立ち入り禁止の錆びついた鉄柵を潜り抜け、足元に気をつけながらコンクリートの廃突堤を進む。