世界で一番わがままな君とガラスの心臓

黒髪を風になびかせ、彼女は薄い唇をきゅっと結んでいた。


顔色は決して良くない。


気圧の変動のせいか、息遣いもどこか浅く乱れている。


けれど、その瞳に宿る熱量は、荒れ狂う空模様すら押し返さんばかりだった。


「体調は大丈夫なの、明日? 無理は絶対に——」

「無理なんて最初からしてるわよ」

私の言葉を遮り、明日は自嘲気味に鼻を鳴らした。


「命を削って『今』を燃やそうとしてるの。風が吹こうが雨が降ろうが、ここで逃げたら私の人生そのものが負けになる。……絶対に引かないわ」


彼女の覚悟に、私と湊先輩は言葉を失った。