世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「えっ、三万八千!? 明日、本気すぎ……」


「当たり前でしょ。一発や二発のしょぼい花火じゃ意味がないの。夜空を埋め尽くすくらい揚げるんだから」


「俺も二万円持ってきた。バイトの給料袋から出してきたから、資金面はクリアだね」


二人の本気度合いに気おされつつ、私も「私は一万五千円……!」と財布を握りしめた。


高校生にとっての数万円は、大金だ。けれど、このお金の使い道に迷いや惜しさは微塵もなかった。


「よし、打上花火と連発花火を中心に、片っ端からカゴに入れるよ」


湊先輩の合図で、買い出しが始まった。