世界で一番わがままな君とガラスの心臓

店内に一歩足を踏み入れると、クーラーの冷気とともに、安っぽいプラスチックの匂いと賑やかなポップソングが耳に飛び込んできた。

国道沿いのどこにでもある、巨大なロードサイド店舗。けれど今日の私たちにとって、ここは秘密の武器庫だった。


季節商品の特設コーナーに辿り着くと、眩しい蛍光灯の下に、色鮮やかなパッケージの花火が山積みにされていた。


『大連発!』『夜空を彩る大輪』『激動の百連発』。派手な文字が踊る袋を前に、私たちは顔を見合わせた。


「各自、貯金は持ってきたわね?」


明日がサッと出しのは、パンパンに膨らんだ小さな巾着袋だった。


「私の今までの小遣いの残高、三万八千円。……全額注ぎ込むわ」