世界で一番わがままな君とガラスの心臓

カンカンと照りつける太陽がアスファルトを焼き、陽炎が揺れるバイパス国道沿い。


大型トラックが上げるけたたましい排気音のなか、私たちは巨大な看板を掲げた総合ディスカウントストアの駐車場に集まっていた。


「……ちょっと風花、何じろじろ見てるのよ。不審者を見るような目で見ないで」

私の隣で、大きなつばの麦わら帽子に黒いサングラスをかけた明日が、不機嫌そうに眉をひそめた。


つばの陰から覗くお姫様カットと、透き通るような白い肌。

明らかに周りの買い物客から浮いているその変装姿に、私は吹き出しそうになるのを必死で耐えた。


「だって、完全に怪しい密売人みたいなんだもん」


「変装よ! 万が一、近所のおばさんに見つかって『明日ちゃんがこんな日中にウロウロしてる』なんて言われたら作戦台無しでしょ。湊先輩も、笑ってないでさっさと行くわよ」


首からいつものカメラを外し、リュックを背負った湊先輩が「はいはい」と苦笑しながら自動ドアを押し開ける。