世界で一番わがままな君とガラスの心臓

心臓に負担がかかっているのは明らかだった。


今すぐにでも横にさせて、冷たいタオルで額を冷やすべき状態だ。


私が「明日、落ち着いて……!」と一歩踏み出そうとすると、彼女はそれを掌で制した。


「近所の人たちもみんな……『仕方のないことだ』って、笑って諦めてさ……! 諦められるわけないじゃない! 私は……私は、この夏に全部出し切って、燃え尽きるって決めたのに……!」


畳の上に膝から崩れ落ちそうになる明日の身体を、間一髪で湊先輩が支えた。


「無茶だ、明日ちゃん。息を整えて」


湊先輩の声は静かだったけれど、その両手は明日の華奢な肩を、決して痛くはない、けれど絶対に突き放させない強さで包み込んでいた。