世界で一番わがままな君とガラスの心臓

前髪の影になった彼女の瞳は、掲示板の「中止のお知らせ」という文字をじっと射抜いている。


いつも大人たちの前で見せる「儚く可憐なお姫様」の笑顔も、私に見せる軽口も、そこには一切なかった。


「……仕方のないこと?」


明日の薄い唇から、低く掠れた声が漏れた。


「時代の流れ……? どうしようもない……?」


指先が白くなるほど日傘の柄を強く握りしめ、明日はその場に釘付けになったように動かない。


「明日ちゃん……?」


湊先輩が心配そうに覗き込む。


けれど、明日は湊先輩の存在すら目に入っていないようだった。


ただじっと、中止の紙片を見つめている。