世界で一番わがままな君とガラスの心臓

太い黒文字で書かれたタイトルの下には、無機質な文章が並んでいた。


「町の財政悪化ならびに過疎化に伴う運営資金の不足、警備体制の維持が困難となったため、本年度の花火大会は中止とさせていただきます。長年にわたり愛してくださった町民の皆様には——」


「中止……? 今年の花火大会、やらないんですか?」


私が驚いて声を上げると、乾物屋のおじいさんが力なく首を振った。


「毎年、西伊豆の海を照らしてきた自慢の花火だったんだがなぁ。若者も減っちまったし、町の金もない。仕方のないことだよ……時代の流れさ」