世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「でもね……俺、もう逃げない。自分の将来からも、君の命の輝きからも。明日ちゃんが『今』を全力で生きてるなら、俺も全力でその瞬間をカメラに焼き付ける。君から目を逸らさないって決めたんだ」


「な……なに、言って……」


明日は困惑したようにあとずさろうとした。けれど、防波堤の端っこで、もう後ろには引けない。


湊先輩はそっと腕を伸ばすと、写真を明日の小さな手元へと差し出した。


自由を手に入れた鳥のように、二人を包み込む潮風。


そして——重ねたのだ。


潮風に晒されて冷たくなっていた明日の細い手に、湊先輩の大きくて温かい手が、そっと重なった。


「っ……!?」


明日の身体が跳ねるように強張る。