私は一歩前へ踏み出し、ポンッと自分の胸を叩いた。
「私ね、今日のタイム計測で……自己ベスト更新したの! 十三秒八五! ずっと超えられなかった壁を破れたんだよ!」
「……え」
明日は目を見開き、まばたきをした。
「明日が本気で怒ってくれたから。私が手抜きで走るのを絶対に許さないでいてくれたから、私は自分の全力と向き合えたの。……ありがとう、明日」
「……バカじゃないの」
明日は顔をそむけ、小さく呟いた。
「私が怒ったのは……自分のためよ。あんたにお礼を言われる筋合いなんてないわ……」
言葉とは裏腹に、明日の目元がじんわりと熱を帯びているのを、私は見逃さなかった。
「私ね、今日のタイム計測で……自己ベスト更新したの! 十三秒八五! ずっと超えられなかった壁を破れたんだよ!」
「……え」
明日は目を見開き、まばたきをした。
「明日が本気で怒ってくれたから。私が手抜きで走るのを絶対に許さないでいてくれたから、私は自分の全力と向き合えたの。……ありがとう、明日」
「……バカじゃないの」
明日は顔をそむけ、小さく呟いた。
「私が怒ったのは……自分のためよ。あんたにお礼を言われる筋合いなんてないわ……」
言葉とは裏腹に、明日の目元がじんわりと熱を帯びているのを、私は見逃さなかった。

