冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

私は蒼汰の目をまっすぐに見つめた。

距離が近くて、蒼汰の息遣いや震えまでダイレクトに伝わってくる。

でも引き下がらない。


「私ね、転校してくる前にパパから教わったの」

「お父さん……?」


「うん。私のパパね、真面目に病院で働いてたのに、ネットの根も葉もない噂のせいで悪者にされて、追放されそうになったの。そのとき、パパは言ってた。『どんなに理不尽な目にあって世界中が敵に見えても、自分が誠実でい続ければ、絶対に味方は現れる。だから嘘に負けてうつむくな』って」


蒼汰が息を呑み、じっと私の言葉に耳を傾ける。


「パパは噂から逃げずに前を向いた。だから……私も絶対に逃げない! 噂で嫌がらせされても、派手だからって偏見を持たれても、私は絶対に自分を諦めないって決めたの!」


息を荒らげながら、私は蒼汰の手をさらに強く握りしめた。