冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

「っ……朝比奈……!?」


突然の温もりに、蒼汰がハッと弾かれたように顔を上げた。


黒縁メガネの奥の瞳が丸く見開かれ、戸惑いと驚きに揺れている。


冷たくなっていた彼の大きな手が、私の両手の中で小さく跳ねた。

だけど私は、その手を絶対に離さないと決めていた。指先までぎゅっと強い力を込め、自分の体温を蒼汰へ伝えようと必死に包み込む。


「自分を責めないでよ……! 月城くんは何ひとつ間違ってない!」


「でも……俺は学校の不正に気づけず、こんな嘘の資料を生徒代表として信じ込んで……!」


「気づけるわけないじゃん! 大人がコソコソ裏で隠して、誤魔化して捏造してたんだよ!? あんた一人が背負う必要なんて、どこにもないよ!」