冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

「俺は……今まで、一体何をやってたんだ……」


蒼汰がゆっくりと机に両手をつき、がっくりと頭を垂れた。


いつも背筋をピンと伸ばし、どんな難題や予期せぬトラブルに直面しても冷静沈着に対処してきたあの『完璧な生徒会長』が、見たこともないほど小さく、弱々しく震えている。


「学校の伝統と規律を守ることが、生徒たちの努力に報いる唯一の道だと思ってた。校則を厳格に運用し、規律を正すことで、学校という組織から正しい評価と環境を引き出すのが……生徒会長としての俺の役割だと……そう信じて疑わなかった……!」


ぎゅっと握りしめられた蒼汰の大きな拳。爪が掌の皮膚に食い込むほど強い力が込められ、関節が真っ白に浮き出ている。


「全部……俺の思い上がりだったんだ。俺が『正しい』と信じて、命がけで守ろうとしていた学校の正しさなんて……最初からどこにも存在しなかった。俺は、生徒たちの努力を陰で奪い取っている大人たちの『都合の良い道具』に過ぎなかったんだ……!」


自責の念と絶望に押し潰されそうな蒼汰の横顔。


黒縁メガネの奥にある瞳には、底知れない深い絶望の影が落ちていた。