冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

あの時もそうだった。自分の都合や保身のために、嘘をついて真実を捻曲げ、頑張っている人の誠実さを踏みにじる大人たち。


(みんな、毎日放課後遅くまで部活を頑張ったり、文化祭の準備でペンキまみれになったり……あんなにキラキラした笑顔で努力していたのに! それを……価値がないだなんて、全部嘘で塗りつぶすなんて……っ!)


「……あ」


怒りに震えていた私は、ふと隣の蒼汰くんの様子がおかしいことに気づいた。


「月城……くん……?」


蒼汰くんは長机に両手をついたまま、微動だだにしていなかった。


その顔からは一切の血の気が引き、紙のように真っ白になっている。


綺麗な唇はきつく結ばれ、差し出された手先が、カタカタと小さく震えていた。