冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

私は手際よくブラシやパレットを持ち替え、訪れた女子生徒や保護者の方々にワンポイントメイクを施していく。


「うん、すごく似合ってる! あなたの優しい瞳には、このコーラルピンクのリップがぴったりだよ」

「えっ……本当だ! すごく明るく見える……! ありがとう、朝比奈さん!」


鏡をのぞき込んだ女の子が、ぱあっと花が咲くような笑顔を見せる。


自分のセンスと手技で、誰かの魅力を引き出し、とびきりの笑顔になってもらえる。


この瞬間が、私にとって何よりも最高に幸せな時間だった。


その時だった。


「――相変わらず、大盛況のようですわね」