冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

テストで同点トップを取って以来、蒼汰くんの私を見る目はあきらかに変わっていた。


冷ややかな警戒の氷は溶け、一人の対等な生徒として、そして真摯な仲間として私を見てくれている。


(……それにしても、やっぱり格好いいなぁ)


夕陽が差し込む生徒会室で、黙々と書類に判を押していく蒼汰くんの側顔を見つめる。

きっちり留められたネクタイに、すっと通った鼻筋。長いまつげが陰を落とすたび、私の胸の奥がキュンと甘く跳ね上がるのを感じた。


その時だった。


「おーい、朝比奈! B組の看板のペンキ塗り、終わったぞー!」

ガラリと生徒会室のドアが開き、作業着代わりのジャージを着た陸くんが顔を出した。

「あ、陸くん! ホント!? ありがとう、すぐ確認しに行くね!」

「おう! つーか朝比奈、ちょっとペンキが頬についてるぞ? ほら」


陸くんがひょいと距離を詰め、私の右頬に指先を近づけてポンポンと軽く拭ってくれた。