「失礼します……!」
ドアを開けて中に足を踏み入れた瞬間、私は思わず息をのんだ。
大きな窓から差し込む春の光の中、整然と書類が並べられた大きなデスクの前に、一人の男の子が立っていた。
(……綺麗な人……!)
艶のある黒髪サラツヤのショートヘアに、すっと通った高い鼻筋。切れ長の瞳は吸い込まれそうなほど静かで綺麗で、第一ボタンまで隙なく留められた制服のネクタイが、彼の几帳面さを物語っている。背が高く、立ち姿だけで絵になるような圧倒的な存在感。
彼が、生徒会長――月城蒼汰(つきしろ・そうた)くんだ。
「君が、今日転校してきた朝比奈日葵さんですね」
蒼汰くんは静かに書類から目を離し、私を正面から見つめた。 ……けれど、次の瞬間。
彼の涼しげな瞳の奥に、氷のように冷ややかな色が宿ったのを、私は見逃さなかった。
蒼汰くんの視線が、私のゆるく巻いたピンクブラウンの髪、ほんのりツヤの乗った唇、そして制服の上から羽織ったベージュのカーディガンへと、上から下までスキャンするように滑っていく。
「……なるほど」
ぽつりとこぼされた声は、あからさまな軽蔑こそ含まれていないものの、徹底的な拒絶と警戒に満ちていた。
「朝比奈さん。我が私立桜ヶ丘学園は、伝統と規律を何よりも重んじる学校です。……第一印象から申し上げて大変恐縮ですが、君のその装いは、当校の品格にそぐわないと言わざるを得ません」
「……え?」
ストレートすぎる先制パンチに、私は思わず目を見開いた。
ドアを開けて中に足を踏み入れた瞬間、私は思わず息をのんだ。
大きな窓から差し込む春の光の中、整然と書類が並べられた大きなデスクの前に、一人の男の子が立っていた。
(……綺麗な人……!)
艶のある黒髪サラツヤのショートヘアに、すっと通った高い鼻筋。切れ長の瞳は吸い込まれそうなほど静かで綺麗で、第一ボタンまで隙なく留められた制服のネクタイが、彼の几帳面さを物語っている。背が高く、立ち姿だけで絵になるような圧倒的な存在感。
彼が、生徒会長――月城蒼汰(つきしろ・そうた)くんだ。
「君が、今日転校してきた朝比奈日葵さんですね」
蒼汰くんは静かに書類から目を離し、私を正面から見つめた。 ……けれど、次の瞬間。
彼の涼しげな瞳の奥に、氷のように冷ややかな色が宿ったのを、私は見逃さなかった。
蒼汰くんの視線が、私のゆるく巻いたピンクブラウンの髪、ほんのりツヤの乗った唇、そして制服の上から羽織ったベージュのカーディガンへと、上から下までスキャンするように滑っていく。
「……なるほど」
ぽつりとこぼされた声は、あからさまな軽蔑こそ含まれていないものの、徹底的な拒絶と警戒に満ちていた。
「朝比奈さん。我が私立桜ヶ丘学園は、伝統と規律を何よりも重んじる学校です。……第一印象から申し上げて大変恐縮ですが、君のその装いは、当校の品格にそぐわないと言わざるを得ません」
「……え?」
ストレートすぎる先制パンチに、私は思わず目を見開いた。

