「――ふぅ、怒涛の1時間が終わったぁ……!」
ホームルームが終わって休み時間に入った瞬間、私は小さく息を吐き出した。 クラスの雰囲気は、相変わらず「腫れ物に触るような遠巻きの警戒感」で満ちている。けれど、ここで落ち込んだら負けだ。ポケットからいつもの手鏡を取り出し、前髪の長さをチェックしてキュッと口角を上げた。
「朝比奈さん、ちょっといいか?」
声をかけてきたのは、担任の木村先生だった。
「転校生にはまず、生徒会室で『校則の手引き』を受け取って、挨拶をしてくることになっているんだ。生徒会長の月城(つきしろ)くんに伝えてあるから、行ってきてくれ」
「はいっ、わかりました!」
私は元気よく返事をすると、手鏡をしまって立ち上がった。
(生徒会長さん、か……。学校のリーダーだし、きっと厳格な感じの人なのかな?)
教えられた特別校舎の最上階へと向かって廊下を歩く。すれ違う生徒たちが「え、あの転校生……」「噂の……」とチラチラ見てくるけれど、背筋をピッと伸ばして堂々と歩いた。逃げないって、自分で決めたんだから。
「ここね……『生徒会室』」
重厚な木枠のドアの前。プレートに刻まれた文字を確認し、コンコン、と軽く二回ノックする。
「どうぞ、お入りください」
中から聞こえてきたのは、鈴の音のように澄んでいて、けれどどこか涼やかな男子の声だった。
ホームルームが終わって休み時間に入った瞬間、私は小さく息を吐き出した。 クラスの雰囲気は、相変わらず「腫れ物に触るような遠巻きの警戒感」で満ちている。けれど、ここで落ち込んだら負けだ。ポケットからいつもの手鏡を取り出し、前髪の長さをチェックしてキュッと口角を上げた。
「朝比奈さん、ちょっといいか?」
声をかけてきたのは、担任の木村先生だった。
「転校生にはまず、生徒会室で『校則の手引き』を受け取って、挨拶をしてくることになっているんだ。生徒会長の月城(つきしろ)くんに伝えてあるから、行ってきてくれ」
「はいっ、わかりました!」
私は元気よく返事をすると、手鏡をしまって立ち上がった。
(生徒会長さん、か……。学校のリーダーだし、きっと厳格な感じの人なのかな?)
教えられた特別校舎の最上階へと向かって廊下を歩く。すれ違う生徒たちが「え、あの転校生……」「噂の……」とチラチラ見てくるけれど、背筋をピッと伸ばして堂々と歩いた。逃げないって、自分で決めたんだから。
「ここね……『生徒会室』」
重厚な木枠のドアの前。プレートに刻まれた文字を確認し、コンコン、と軽く二回ノックする。
「どうぞ、お入りください」
中から聞こえてきたのは、鈴の音のように澄んでいて、けれどどこか涼やかな男子の声だった。

