冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

私と陸くんが、距離を詰めて一つのノートを覗き込んでいる姿。 楽しそうに笑い合っている教室の空気。

それを見た瞬間――蒼汰くんの涼しげな瞳が、すっと細められた。

(……え?)

ほんの一瞬、蒼汰くんの眉間に小さなシワが寄り、周囲の空気がキュッと冷たくなったような気がした。


蒼汰くんは静かな足取りで、まっすぐ私たちの机へと歩み寄ってきた。

「朝比奈、神田。……休み時間とはいえ、教室で騒ぎすぎるのは感心しないな」

「えっ? 騒いでないよ。数学と歴史の教え合いをしてただけだもん」

私が答えると、蒼汰くんは私の机の上に置かれたノート――彼が私に貸してくれた、あの歴史のまとめノートに視線を落とした。

陸くんがそのノートを手に取って感心している。

「ていうかさ、月城。このノート、マジでまとまり方やばいな。誰が作ったか知らんけど神がかってるわ」

「……それは、僕のノートだ」

蒼汰くんが硬い声で言い放つ。