冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

蒼汰くんが眉をひそめて、少し不機嫌そうに私を睨んでくる。だけど、その耳の先端がほんの少しだけ赤くなっているのを見逃さなかった。


「ううん! ありがとう、月城くん!」


私は満面の笑顔で、ノートを両手で大切に抱きしめた。


「アドバイス、すごく参考になる! 私のノートのいいところと、月城くんのノートの凄さを組み合わせて、最強のまとめノート作ってみせるね!」

「……勝手にすればいい」


蒼汰くんはフイッと顔を背けると、腕章を気にしながら背を向けた。


「下校時刻のチャイムが鳴る。5分以内に図書室を出るように」

「はーい!」


早足で図書室を去っていく背中を見送りながら、私は胸の奥がぽかぽかと温かくなるのを感じていた。


氷のように冷たいと思っていた生徒会長。 だけど、彼の氷の下には、誰よりも誠実で真っ直ぐな心が隠れていたんだ。

(月城蒼汰くん……あなたって、思っていたよりずっと素敵な人なのかも)


私は蒼汰くんから借りたノートをキュッと胸に抱きしめ、夕陽が沈む図書室で、さらに強くペンを握りしめたのだった。