冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

振り返ると、そこにいたのは……黒縁メガネの奥の瞳を冷たく光らせ、地獄の底から響くような低い声を発している蒼汰くんだった。


「ひっ……!? つ、月城先輩……!?」


あまりの圧に、長谷川くんがガクガクと震え出す。


「朝比奈は生徒会補佐として非常に多忙だ。個人的なアドバイスなら、副会長の設楽か、他のメンバーに頼むように」


「あ、は、はいっ! 申し訳ありませんでした! 失礼しますっ!」


長谷川くんは脱兎のごとく生徒会室を飛び出していってしまった。


「ちょっと、蒼汰くん! 後輩になんであんな怖い顔するのよ〜!」


私が文句を言おうとすると、蒼汰くんはぷいっと顔を背け、冷たい声で呟いた。


「別に……普通だ」


(あれ……? 蒼汰くん、もしかして……ヤキモチ焼いてる……?)


どこかすねたような横顔を見て、私の胸の中に、甘くて愛おしい芽がひょっこりと顔を出したのだった。