冷徹生徒会長が私に甘くなるまで

いつもなら冷静で完璧な彼の歩調が、どこかぎこちなく、緊張で強張っているのがわかる。


私の目の前で止まった蒼汰。ふと見ると、彼の白い耳の先端が、夕陽のせいだけではなく真っ赤に染まっていた。


「つき、しろくん……?」


「……朝比奈。君に、ずっと言わなければいけないことがあるんだ」


蒼汰が意を決したように黒縁メガネのフチを指で押し上げ、私の目をまっすぐに見つめた。その瞳は揺れながらも、熱く、深い情熱を宿している。


「僕が君と初めて出会った時のことを覚えているか?」


「うん。生徒会室で、『校則を守れ』『見た目で規律を乱すな』って、すごく冷たく怒られたよね」


「……そうだ」


蒼汰が苦笑交じりに目を伏せ、自嘲気味に呟いた。