勢いよく物陰を確認する。 けれどそこにも誰もいない。 棚の隙間にも、デスクの下にも。 ジワリと背中に汗が吹き出してきた。 辺りは耳鳴りがするほどに静かで、外の音も聞こえてこない。 「ね、ねぇ誰よ、いい加減にして!」 大声を上げながら後ずさりをして出口へと向かう。 そうしないと、今にも後方から見えない誰かが襲いかかって来そうで怖かった。 後ろに回した手が戸の取っ手に触れる。 勢いよく開いて廊下へ出るつもりが、カギがかかっていて出られなくなっていた。 「嘘でしょ、なんで!?」