隣の席の泉宮くん(過去形)


「カラオケ行こうよ!」

泉宮くんは女子から、カラオケに誘われていた。

登校日までの期限の課題を提出して、今日は午前中だけで終わり。

「今日も塾だから無理。他の人、誘いなよ。」

……塾に行ってるのか。

盗み聞きで情報を得た。

「付き合い悪いッ!」

「一日くらいサボっても良いじゃん。」

「葵と行きたいんだってば。」

自分の意見をはっきり主張が出来て、すごいと思った。

私は午後から、彩ちゃんとファミレスに行って、お昼ご飯を食べて課題をやる予定がある。


「やっと来た。待ってたよ、お二人さん。」

下駄箱で靴を履き替えて、昇降口に行くと泉宮くんがいた。

彩ちゃんと私は、トイレに寄ってから降りて来たので、他の生徒はもう出たか、部活に行ってるので、昇降口に人気はなかった。

「なんか用?」

彩ちゃんは苛立ちを隠さず聞いた。

アイス屋さんの件を根に持ってるので不機嫌。

「今週末ある夏祭り、行かない?」

「メンバーは?」

夏祭りには惹かれるが、音無くんが行くなら彩ちゃんは絶対に行かない。

「俺と大和だよ。」

「……真緒が行くなら行く。」

二人の視線が一斉に向けられた。

決定権は私にあるらしい。


「い、行きたいなぁ!残りの夏休みも楽しもうね!」

明るく私が言うと、

「決定ね。連絡先、教えて。待ち合わせ時間とか場所、連絡するから。」

泉宮くんがポケットからスマホを取り出し、流れる様に連絡先を交換した。