隣の席の泉宮くん(過去形)


「はい、お土産〜。」

「ありがとう!可愛いから食べるのもったいないね。」

登校日、彩ちゃんから動物が印刷されてるクッキーをもらった。

家族旅行で北海道に行ったんだって。

彩ちゃんと会うのは、お泊まり会をして以来だった。


「おはよう。」

教室の前のドアから泉宮くんが入って来て、目が合うと笑顔を向けられた。

「……おはよう。」

泉宮くんと顔を合わせるのは、終業式以来である。

「動物園、行ったの?」

私の手に持ってるクッキーを見て、泉宮くんに聞かれた。

「私じゃなくて、彩ちゃんが。」

「お土産でもらったんだね。」

「うん。」

そんな話をしてると、都鳥くんが教室に入って来たので、「大和、おはよう。」と泉宮くんが声を掛けた。

「……おはよう。」

都鳥くんはダルそうに返して、私の隣の席の椅子を引いて座った。

「今日も朝練?」

「あぁ。」

「合宿、どうだった?」

「地獄。」

「それはご愁傷様。」

口振からして、都鳥くんはサッカー部の合宿に参加してたみたい。


「出席取るぞ席に着け。」

担任の涼風先生が教室に入って来て、泉宮くんは自分の席に着いた。