隣の席の泉宮くん(過去形)


「お見事!」

パチパチと私は拍手した。

「兄ちゃん、やるな!」

「……どうも。」

射的で都鳥くんが一発で倒した。

射的屋のおじさんから、景品のお菓子を都鳥くんは受け取った。

私がすごいなぁと、あまりにも見てるから、欲しいと思われたのか「やる。」と差し出された。

……え。優しい。

「ありがとう。」

都鳥くんがくれるなら、ありがたく頂く。


「大和、俺にも取って。」

「自分でやれ。」

「えー、」

「ベビーカステラ食べたい。」

彩ちゃんは射的に興味が無く、次に行こうと言う。

「真緒は?何食べる?」

「フライドポテトにしようかな。」

「俺は焼きそば。」

「都鳥に聞いてない。」

「君達さぁ、自由だね。」

泉宮くんは肩を窄めた。


「お嬢ちゃん、可愛いからサービスしとくよ。」

と、彩ちゃんはベビーカステラをおまけに、入れてもらっていた。

私はフライドポテト、泉宮くんは唐揚げ、都鳥くんは焼きそばを食べた。


花火が打ち上がって、会場の盛り上がりは最高潮に達した。

大きな音が何発も響く。

花火は感動的で綺麗だが、それよりも私は左隣に立つ、泉宮くんの存在が気になった。

花火の時間になり会場は混んでいて、距離が近い。

汗臭くないかとか……、色々気になって花火どころではなかった。

花火の光で照らされた泉宮くんの横顔は、とても綺麗だった。


「楽しかった?」

帰り際、泉宮くんに聞かれて、うんと頷いた。

「なら、良かった。」

夏休みの最高の思い出になった。