「僕にくれるの?」 男の子はコクンと頷く。 僕が盗んでしまって、本当は怒っていたに違いない。 だから、妹の口から出てきたり傘が真っ赤に染まったりしたんだと思う。 だけど不思議と怖い感じはしなくて、僕は布団から出ると手を伸ばした。 ころりとめじるしチャームが手のひらに落ちてくる。 「ありがとう」 顔をあげてそう言ったときにはもう、男の子はどこにもいなかったのだった。