走るとまた足が少し傷むけれど気にしていられない。 一気に階段を駆け下りたとき、ようやく荷物を持った後ろ姿に追いついた。 その背中は迷うことなく生徒用の下駄箱へ向かい、上履きを掴んで袋に入れる。 そして傘立ての前でも立ち止まると青い傘を手に取った。 やっぱりそうだ!! 「あ、あの!!」 僕は心臓が跳ね上がるのを感じながら声をかけた。 女性が振り返る。 その姿は痛々しいほどに弱弱しい。 目の下には黒いクマができているし、白目は真っ赤だ。