天才の、まだ知らない恋愛鬼ごっこ

「「「夜瑠さまーーー!」」」
 
 「呼んだ?……てっ、えっ……なんで、こんな」
 
 目の前には、この国の人々全員が集結していた。

「「国王陛下ーーー今まで、この国を豊かにしてくれて、ありがとーー!」」
 
 あれは、本当の血筋の、王族達。
 
 「え、いや、義務だし……」
 
 「「飢えていたとき、食料や、寝床をくれて、ありがとーー!」」
 
 あれは、七年前、餓死しかけていた国民達。
 
 「それも義務……」
 
 「「平民の俺たちにも、仕事を与え、地位を与えてくれて、ありがとーー!」」
 
 あれは、会社の社員達。
 
 「だから、義務だって……人の話くらい聞いてよ。」
 
 その顔には、驚愕と歓喜、そして困惑が浮かんでいた。
 
 「「「「「今まで、この国を支えてくれて、ありがとーー!」」」」」
 
 「ふっ、……こちらこそありがとう、みんな!!!」
 
 「どうか、みんなに幸せな未来が訪れることを願っているわ!
 ーーーすべでは、我らがセレイナル帝国の名の下に!」
 
 「「「「どうか、お元気でーー!」」」」
 
 ポイポイ虫を投げられる。 
 
 「みんなもねー!……ぎゃあっ?!虫を投げないでー!」
  
  そうして、歴史に残る天才少女、夜瑠は、セレイナル帝国を去って行った。