その瞬間、会長の顔は、みるみる真っ赤になった。
「おっ、おまえ……!」
会長は、副会長に向かって声をあらげた。
でも、反対に、
「照れるなよ。なあ、そーだろ? 本当のこと言えよ、ちゃんと」
副会長にからかわれて。
会長はワナワナとふるえたあと、
「ああ、そうだよ!」
投げやりのように答えて、自分の席へと戻っていった。
なんだったんだろう。
思わず目をパチクリさせていると。
「ゴメンねー、あいつ口ベタでさ。通訳がいるんだよねー」
坂木副会長がニヤニヤしながら小声で言った。
「はあ」
「じつはね」
と、急にささやき声が低くなる。

