かわいいのはホントだよ。


 美野里ちゃんは、「バレたか」と小さく笑った。それから「ゴメンね!」って、わたしを拝(おが)むように両手を合わせる。

 わたしも「しょうがないなあ」って笑った。

「わかった。美野里ちゃんのためにも、できるだけがんばってくる!」

「うん、その調子だよ。ももちゃん、ファイト!」

「ありがと、またあしたね」

 さよならのアイサツもそこそこに、わたしはスクバを持って教室を出ていった。


      *


 生徒会議室のとびらは、すでにピタッとかたく閉じられていた。

 なかからは、だれかの話し声が聞こえてくる。

 今、三時半ジャストなのに? もう始まってるの?

 初っぱなから遅れるなんてサイアクだよ……!

 こうなったら、あやまりたおすしかない。

 どうするか覚悟を決めたあと、うしろのとびらをそっと開けて、猫背(ねこぜ)の姿勢でなかに入っていく。