体の異変に気づいたのは、
会わなくなって、一ヶ月が過ぎた頃だった。
生理が来ない。
ただの体調不良だと思った。
けど
日に日に膨らむ不安に耐えられなくなって、
近所の産婦人科の扉を叩いた。
「おめでとうございます。妊娠十二週に入っていますね」
医師の声が、やけに他人事のように耳を素通りしていく。
***
その後、卒業までの日々は、あっという間に過ぎていった。出産、育児、就職活動――一人で抱えるにはあまりに多い課題を、なんとか一つずつこなしていった。
正社員としてオフィスに毎日拘束される働き方は、子どもを抱えた身には現実的ではなかった。時間の融通が利き、体調不良の時にも調整が効きやすいという理由で選んだのが、家事代行サービスの仕事だった。
まさかその選択が、数年後の自分の運命を大きく動かすことになるとは、この時はまだ知る由もなかった。

