「麦は?」 「え?えっと……なんの話?」 「麦は卵焼きに何をいれるのが好き?って。俺は青のりとチーズ。紅ショウガもすきなんだけど。かにかまとネギが入ってるのもうまいんだよな。」 「私は……普通のかな」 話をしながら歩くと、もう下駄箱の前まで来てしまった。 鉛入りの腕を上げて上履きを手に取る。 教室へと続く階段は高い壁みたいに見えて、やっぱり……怖い。 「ごめん。先行って…」 「え?でも一緒に」 「ううん。行って。私は大丈夫だから…」