完璧な三神くんは、愛だけがわからない。


対等に話せる人がまたいなくなってしまうと思ったら、何だかまたどこか寂しそうな三神くんになってしまうと思ったら。そんなことできなくて。


「くるちゃんお願い!土曜日はうっかり三神くんに惚れない強い女メイクを施して!どうかお願い!!!危機なの!!!」

私は藁にもすがる気持ちでくるちゃんに懇願した。


「おっけー!任せて!っていうか結局どこに行くことになったの?デート」

「デートではないけどね。映画みてカフェに行くことになった」

「え、それなんなら王道デートじゃない?」

本当にそう思う。


「彼は弁が立つからさあ、言葉巧みにデートのようなプランになってしまった。もうこれ私を惚れさせようとしてる?そうだよね、おかしいよね。やだー、絶対に惚れないんだから」


くるちゃんが「惚れないようにする時点で、もう惚れてるも同然なんだけどね」とぼそっとつぶやいていたが、その時の私には、届かなかった。