完璧な三神くんは、愛だけがわからない。



「は?」

「だからボウリングとかスポッチャとか……」

「ふたりじゃねえの?なんで?」

三神くんは休日に気軽に遊べるような友達がいない、と言っていた。

だから、きっと、友達はどういう風に遊ぶのか、わからないのだろう。


「みんなで遊ぶのも、楽しいよ?」

「……じゃあそれは今度」


だから、私が、教えてあげるのに。

人がいたほうが楽しい遊びもあるんだよ、って伝えたいのに。


「――春苺と、ふたりじゃなきゃ、割に合わない」


2週間だぞ、お前に教えた地獄のような期間。ああやっと解放された。と彼は続けた。



「で、今週末、なにする?」


彼のビー玉のように澄んだ目に、吸い込まれそうになる。


対等でいなきゃなのに。友達でいなきゃなのに……。

友達は、デートなんかしない。

友達は、こんな一言一言に、ドキドキなんか、しない。



三神くんが、私を、翻弄する。



これ以上ここにいるとまずいと思った私は「部活あるから」とだけ言い教室をとびだした。