完璧な三神くんは、愛だけがわからない。

ーー


「ようお疲れ」

「1位おめでとう」

放課後。今日からまた部活が通常の時間に戻るので、家庭科室へと向かおうとしていたところ、三神くんがやってきた。

学年1位を取ったというのに、彼は喜ぶわけでもなく、淡々としていた。


「……じゃ、どこ行くか決めようぜ」

「うん」

「とりあえず映画でもみるか」

「へ」


その淡々としたまま、遊ぶ話をしはじめる。……ここは教室。だからこの人は本当に、自分がどれだけ人気かわかっていない。



「……ちょっと三神くんこっちきて」

腕を引っ張り、隣の空き教室に向かう。


「今日は積極的だな」

「ちがうちがう、教室でその話したくない、だけ。でもみんなで遊ぶのに映画はちょっと違くない?」