完璧な三神くんは、愛だけがわからない。



「一人増えるなんて聞いてねえ」

「まあまあ、また一人赤点少女が救われるのだから、よいではないか」

担任の先生に勉強の件を伝えたら、空いている物理準備室を貸してくれた。英語劣等生の私がやる気を出していることに少し喜んでいるようだった。

広い部屋に、三神くんと私と、くるちゃん。教科書やらペンケースやらを取り出す。


「……あ、くるちゃんのそのシャーペンどこのやつ?めっちゃ可愛い!!」

「いいでしょう、イオンで買った」



「――はじめるけど、」


日常会話に花を咲かせる私達に、三神くんの低い声がピシャリ、と解き放たれる。


「「……はーい」」

「とりあえずこの30分だけは集中して。やるなら本気で取りに行くから」