完璧な三神くんは、愛だけがわからない。


「ってか遅え、待ちくたびれた」

「だから電子辞書くらい、机に置いてくれていいって言ったのに」

「……早く帰ろうぜ」


一緒に帰るの?どうして?

たくさんのハテナが残る私に反して、三神くんはそそくさと支度をして教室を出た。


「えっ、ちょっと待ってよ」

「これ以上待たない」

急な展開に、私の頭はショート寸前だった。



「ねえ!三神くん!待って」

私の声に、三神くんの足はとまり、振り返る。


「一緒に帰るって意味わかんないよ。……どうして?」

「……さあ」

「どうして私にかまってくるの、」


三神くんにとってはなんて事のないことなのかもしれないけど、私にとっては重要なことだ。これ以上ドキドキしたら、きっと心拍が早くなりすぎて危ない。