完璧な三神くんは、愛だけがわからない。

ーー

「あ」

「よう」

「……なに」

「お前今日5限まで?電子辞書忘れたから貸してくんね?」


廊下には三神くん。人があまりいないからって、裏三神で話しかけてくるからびっくりした。


「早くしろよ」

「……ええ、」

紆余曲折あったが、あれから、三神くんとは少しだけ話すようになった。といってもクラスも違うので、廊下で会ったらあいさつをする程度だけど。

「他に借りる人いないの?」

貸し渋りながらも、鞄を開ける。だって、三神くんに貸したい人なんて、他にたくさんいるでしょう。妬みほど厄介なものはないんだから。

そう言ったけど「知らん奴から借りたくない」と軽くあしらわれた。