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26歳になった私が最初に与えられた仕事は、
町一番のケーキ屋を取材し、市の広報に載せること。
初めてお店に入った瞬間。
甘い香りに包まれた空間で、その人だけが少しも甘くない顔をしていた。
「市役所広報課の倉嶋です。今日は取材のお願いに——」
「顔は出しません」
差し出した企画書を、彼は受け取ろうともしなかった。
それが、町一番の人気パティシエとの出会いだった。
このときの私はまだ知らない。
カメラの前では決して笑わない彼が、いつかフレームの外で、私にだけ笑ってくれることを。
26歳になった私が最初に与えられた仕事は、
町一番のケーキ屋を取材し、市の広報に載せること。
初めてお店に入った瞬間。
甘い香りに包まれた空間で、その人だけが少しも甘くない顔をしていた。
「市役所広報課の倉嶋です。今日は取材のお願いに——」
「顔は出しません」
差し出した企画書を、彼は受け取ろうともしなかった。
それが、町一番の人気パティシエとの出会いだった。
このときの私はまだ知らない。
カメラの前では決して笑わない彼が、いつかフレームの外で、私にだけ笑ってくれることを。
