人形少女と二人ぼっち

「うん、無事に受験会場着いたら、連絡してね」

「分かったよ。ましろ、行ってくるね」

うん、行ってらっしゃい

いのりが遠くにいても、いのりのことずっと思ってる。私にはそれしかできないけれど

玄関のドアが閉まった

花帆は、ケーキのレシピ本を見たり、私の髪を溶かしたりしていた

「ねぇ、いのり、大丈夫かな?」

私には分からない。いのりは、私に側にいて欲しいといった。でも今は、いのりのことを思うことしかできない

その時、花帆のスマホが鳴った

『受験会場着いたよ。やっぱりあんまり居心地よくない』

花帆は、そのメッセージを、ずっと眺めていた

「ねぇ、ましろ、どうしたらいいかな?」

分からなかった。人形だからじゃない。いやそうかもしれない。私は、その場に行くことすらできないから

花帆は、いつもの落ち着きを取り戻して、返信をした

『大丈夫、いつも通り、過去問解いてたときみたいに、何も考えずに臨めば大丈夫よ』