人形少女と二人ぼっち

何を思ったのか、いのりは、クローゼットを開いて、制服を取り出した

「これ、いつも、外に出るとき、ましろが来てくれてたから、なんだか、ましろの香りがする」

私の香り…。球体関節に刺す、バラの香りのオイルだろうか

「なんかこの香り落ち着くね」

いのりは、その制服が安心できるの?

「わかんない。でも、なんだか、ましろが側にいてくれる気がする」

いのりの焦っていた表情は、少し和らいでいた

私がいなくても、私に着せてくれていた制服を着て、安心できるのなら、大丈夫な気がした

「わたし、受験がんばるよ。どうなるのかわからないけど、ましろが付いていてくれてるから」

いのりは、変わったと思う。もう、世界から取り残されてなんかいない。果敢に、世界に挑もうとしている

いつの間にか、正反対になっていた。フリルたっぷりのドレスを着た私と、制服を着ようとするいのり

私は、青い瞳で、いのりの姿を見ていた