人形少女と二人ぼっち

それから数日置きに、彼女は店を訪れるようになった

何も言わずに、私の天蓋の側にある椅子に座り、時間を共にするだけの日もあった

時には疲れた顔で私の前に来て、会社であった悩み事を独り言のように語った

どうしてこの人は、少女に大人の話をするのだろうか?

ずっと不思議に思いながら、彼女の話を聞いた

人形が、共感できるはずもない

だけど、話し終えると彼女は少しだけすっきりした顔をして、肩の荷が下りたようだった

そんな日々が一ヶ月ほど続いた


ある日、彼女は天蓋の側の椅子に座り、私をじっと見つめていた

いつもは、時間を共にしても、こんなにも見つめられることはなかった

彼女は、沈黙を破った

「あのね、あの…。
私決めたの。あなたをお迎えしたい
私じゃダメ? かな…」

そう言って、彼女は私の手を握った。優しく
まるで、プロポーズでもするかのように

私の指は、花帆の手の中で少しだけ動いた

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