人形少女と二人ぼっち

いのりが、そうしたいなら、そうしなければいけないなら、行ったほうがいいのだろう。いのりのためにも

「ねぇ、ましろ。もし、受験だめだったらさ、また、ずっと一緒にいてくれる?」

それは、甘い言葉だった

私には、いのりが側にいてくれる時間が、いのりが声をかけてくれる時間が、私の身体を滑らかなに保ってくれているような気がしていた。

「だめだね、こんな弱気になっちゃったら」

また、いのりは、ノートを開いて参考書の問題を解き始めた

私には見ていることしかできない


いのりの前に、私がいなくても、私はいのりの心の中に、居続けることができるのだろうか?

例え、そうできたとしても、私の前には、いのりはいない

そんなことを考えると、私の身体は少し軋んだ


それから、秋めく季節は移り変わり、いつの間にか、肌寒く冬になっていた

花帆が出勤したあとに、いのりの受験勉強を見守る日々は続いた

二人だけの時間。例え会話がなくてもそれで良かった