人形少女と二人ぼっち

翌日、花帆が、出勤したあと、いのりと私はまた二人きりになった

「ましろ、やっぱり、一人で受験会場行くこと考えると怖いんだよ」

怖いのに、どうして、いのりは、そこへ行きたいの?

「時々、分からなくなる。どうして、ましろと夜の海の星を見に行ったとき、受験を受けたいなんて言ったのか

ほんとは、ずっと、ましろと二人で、花帆姉の家にいたいと思うよ」

外に出ないことの何がいけないの?

怖いのなら、いのりが怖くないようにすればいいと思う。でも、どうして、怖い場所に、あえて行かなければいけないの?

「人間ってね、大人にならなきゃいけないから。ずっと子どものままではいられないから…」

その言葉は、私の身体の中に、重く沈んでいった

いのりと私は違う。私は人形で、永遠に大人になることはない。大人にならないといけないいのりが、辛く思えた

「だからね、わたしは、前に進まなきゃいけないと思うんだ。例え、だめだったとしても」