人形少女と二人ぼっち

夕方になり、やがて、日が落ちて、玄関の扉が開いた

「ただいま、いのり、ましろ」

「あ、花帆姉、おかえり」

「いのり、勉強してたの?」

「あ、うん、まあね」

花帆は、ハンドバッグを置いて、テーブルの椅子に腰掛けた

「あのね、お姉ちゃん調べたんだけど、柚葉高校ってところは、中学で通学できなかったことへの自己申告書を出したら、出席点がなくても配慮してくれるんだって」

「ほんとに?」

「うん、今度、入試説明会があるんだけど、行ってみる?」

いのりは、私を、すがるような目で見た

「ましろは…、ましろには、ついて来てもらえないよね…」

「そうね、高校の入試説明会だから…」

いのりは、手を握りしめて、また少し震えていた

私がいないと、外に出るのは怖い?

「わたし、ましろがいないと、やっぱり…」

花帆は、しばらく黙って、いのりを見つめていた

「分かったわ。私が入試の願書取ってきてあげる。だけど…」