人形少女と二人ぼっち

それから、いのりは、花帆が仕事に行っている間、リビングで、勉強していることが多くなった

私は、いつものように、フリルたっぷりのドレスを着て、リビングのテーブルの椅子に座っている

その向かいで、いのりは、ノートを広げて、シャーペンをくるくる回していた

Uの字になったグラフが、ノートに描かれている

「因数分解って、掛け算と足し算のパズルだよね」

いのりが、何を言っているのか、さっぱり分からなかった

「あ、ごめん、ましろ、退屈だよね」

退屈なんかじゃない

いのりが話しかけてくれることも減ったと思う。いのりが何をしているのかも分からない。だけど、私の目の前に、いのりがいてくれるから、退屈なんかじゃない

「また、ましろと、ゲームとかして遊びたいな」

今はできないの?

「受験受けるまではさ、できる限り頑張りたいから」

いのりがそう思うなら、頑張ればいいよ。私は、こうして見ているから

「もうちょっと、頑張ろうかな」

いのりは、伸びをした