人形少女と二人ぼっち

「花帆姉、できたよ」

「ここで、ましろと待ってて。カード作ってくるから」

花帆はそう言って、カウンターに向かった

「わたし、ここで図書カード作るの初めてかもしれない」

図書館という場所は、いのりにとっても初めてだったのだろうか

「いのり、できたよ」
花帆が戻ってきて、図書カードを、いのりに渡す

「これ…」

ー 宮前 いのり ー

そう名前が記されたカードを、いのりはしばらく見つめていた。

「本、借りておいで」

「うん…」

いのりは、カードと借りようとしていた本を抱えて、カウンターへと向かった


「借りられて良かったね、本」
帰りの車の中で、花帆は、いのりに声をかけた

「うん、わたしでも借りられるんだね」

いのりにとっては、それが不思議なことなのだろうか

「当たり前じゃない…

ねぇ、明日、クッキー焼こうかと思うんだけど、この後少し買い物して帰っていい?」

「あっ、うん…。いいよ」