人形少女と二人ぼっち

「えっと、これと、これ」

花帆は、ケーキのレシピ本を何冊か手に取った。私を乗せた車椅子を押して、読書スペースへと向かう

車椅子から私を降ろし、椅子に座らせて、花帆も、私の隣に座った

「一緒に見ようか、ましろ」

そう言って、花帆は、ケーキのレシピ本を開く

「これはね、苺ショーケーキよ。すごく甘い香りがするの」

私の青い瞳のガラス玉は、真っ白な生クリームが波打つのを、じっと映していた

「ましろ、これ気になるの?」

うん、どこかで見たことがある

「あっ、ドレスのフリルみたいだね。可愛いでしょ?」

それから、花帆は、チーズケーキや、フルーツタルトや、シュークリームの写真を見せてくれた

どうして食べれない私に、花帆はケーキの写真を見せてくれるのだろうか

花帆は、クッキーのレシピのページを開く

食べるためのものなのに、いろいろな形をしていた

「これね、生地を型抜きして焼くと、いろんな形のクッキーが作れるの」