人形少女と二人ぼっち

いのりは、持っていたサンドイッチを、お皿に置いて、湖を遠い目線で眺めた

水鳥が一羽飛び立った。どこかへ行くのだろうか

「うん、わたし、ましろといっしょなら、どこにでもいけそうな気がしてきた」

花帆は、いのりの手を取った。その表情は、どこか、嬉しそうでもあり、寂しそうでもあった

「うん、いのりには、ましろがついてるから」

「そうだね…」

それから、花帆もいのりも、ゆっくりと湖を眺めながらサンドイッチを食べていた。空にゆっくりと雲が流れていく

「ねぇ、ましろは、外に出れて、楽しかった?」
いのりが、私の耳元で囁いた

きっと、いのりがいなかったら、花帆は私を外に連れ出そうなんて考えなかったかもしれない。私が、この景色を見られたのは、いのりがいてくれたから

「私は、ましろと一緒にこの景色を見られて、良かったよ」

いのりは、本当に嬉しそうだった

その夜、私達が家に帰ったのは、暗くなってからだった